いずみたくはどんな人物?経歴とやなせたかしとの絆を総まとめ!

ドラマ『あんぱん』を見て、実際のいずみたくはどんな人物?経歴は?と思った方へ。

やなせたかしさんやアンパンマンとの関わりまで一気にわかる記事にまとめました。


「手のひらを太陽に」から「勇気の花がひらくとき」「すすめ!アンパンマン号」まで、心がふっと軽くなるメロディの秘密をわかりやすく解説します。


目次

いずみたくはどんな人物?

国民的メロディーを生んだ作曲家

いずみたくは、誰もが一度は耳にしたことのあるメロディーを数多く生み出した、昭和を代表する作曲家です。

特にテレビドラマやアニメ、CMソング、童謡、歌謡曲と幅広いジャンルで活躍し、「見上げてごらん夜の星を」や「世界は二人のために」などの名曲で知られています。

どの曲も一度耳に入ると自然に口ずさめるメロディで、覚えやすさと余韻の両立が大きな魅力だと感じます。

歌詞の言葉運びがなめらかで、母音と子音の流れが歌いやすい位置に配置されている点が職人技ですよね。

坂本九、佐良直美、ピンキーとキラーズ、デューク・エイセスなど、歌手ごとの声質や立ち姿に合わせた設計が光っています。

音楽を通して時代と人々をつないだ

その作品の多くは、明るさと希望に満ちており、戦後の復興期や高度経済成長期の日本人の心に深く響きました。音楽を通して時代の空気をとらえ、人々の生活や感情とつながる作品を作り続けた人物です。

プライベート:5度の結婚と家族観

いずみたくさんは、私生活で「5回の結婚」を経験しています。雑誌記事や関係者の回想で繰り返し語られていて、自身の著書でも“好きになったら結婚してしまう”性格だと振り返っています。

ドラマ『あんぱん』で描かれる情の深さは、音楽づくりだけでなく生き方にも通じるところがあったと感じます。

メディアでは“ビビビ婚”という言葉で軽く扱われることもありますが、一次資料のトーンはもっと静かです。

出会いの偶然を大切にし、互いの生活を支え合おうとする。

勢いで始まった結婚もあれば、すれ違いから別れに至った結婚もある。結果だけでなく、その過程に誠実さを保とうとした跡が読み取れます。

私生活を派手に売り物にしない態度も、いずみたくさんらしい品の良さだなと感じました。

いずみたくはどんな人物か――このエピソードから浮かぶのは、“人との関係に本気で向き合う人”。

仕事では歌い手やスタッフに寄り添い、家庭ではパートナーと日常を築こうとする。

選択が多かった分だけ難しさも背負いましたが、そこに偽りのない真面目さがあったことは、残された言葉や周囲の回想からもしっかり伝わってきます。

音楽のやさしさは、こうした生き方の延長線上にあるのだと、しみじみ思います。

いずみたくの経歴

東京生まれ、音楽一家の中で育つ

いずみたく(泉 岳 / いずみ・たく、本名:渡辺岳夫)さんは、1922年1月20日、東京市本郷区(現在の東京都文京区)に生まれました。

父・渡辺浦人は東京音楽学校(現・東京芸術大学)の出身で、作曲家・指揮者として活躍していた人物。

いずみたくは、まさに“音楽一家”に育ち、幼い頃からクラシック音楽や楽器に親しむ環境にありました。

10代のころには自ら作曲を始め、早くからその才能を発揮していたといわれています。

戦中・戦後の混乱を乗り越え、音楽の道へ

第二次世界大戦中はいったん軍務に就きましたが、戦後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の依頼で音楽活動を再開。占領下の日本でジャズや洋楽が解禁されたこともあり、彼の音楽的感性は大きく開花していきました。

戦後まもなくは、映画音楽や舞台音楽を中心に活動を始め、ラジオやテレビが普及し始めた昭和30年代からは、メディア向けの音楽制作に本格的に参入します。

テレビ・映画・CMで次々とヒットを飛ばす

1960年代から1980年代にかけて、いずみたくは数々の国民的ヒット曲を生み出します。

代表的な楽曲には以下のようなものがあります:

  • 「見上げてごらん夜の星を」(坂本九)
  • 「手のひらを太陽に」(やなせたかし作詞、童謡)
  • 「いい湯だな」(ザ・ドリフターズ)
  • 「夜明けのうた」(岸洋子)
  • 「世界は二人のために」(佐良直美)
  • NHK「おかあさんといっしょ」内の楽曲多数

CMソングの制作にも力を入れており、「明るいナショナル」「やめられない、とまらない(かっぱえびせん)」などの誰もが口ずさめるフレーズは、彼の手によるものです。

この時期、いずみたくの名は「メロディーメーカー」として全国的に知られるようになり、テレビ黄金期を支える作曲家の一人として確固たる地位を築きました。

舞台音楽・ミュージカルへの情熱

1960年代後半、いずみたくは舞台芸術にも力を注ぎ始めます。自らが主宰する劇団「いずみたくミュージカル劇場(のちのたくみ座)」を設立し、オリジナルの音楽劇やミュージカルを制作。

代表作には、「見上げてごらん夜の星を」を原案とした舞台作品や、子ども向けミュージカル、地域密着型の音楽劇などがあります。彼の作品は、“誰もが楽しめる音楽”を理念とし、観客参加型のスタイルや社会問題をテーマにした脚本など、当時としては斬新な取り組みも多く見られました。

音楽教育・地域活動にも貢献

晩年には音楽教育や地域文化活動にも注力。子どもたちに音楽の楽しさを伝えるワークショップを開催したり、全国の市民ミュージカルに楽曲を提供したりと、音楽を通じた社会貢献を積極的に行っていました。

特に、障害を持つ子どもたちとの音楽活動や、市民参加型ミュージカルの企画などは、「音楽は誰のものでもなく、みんなのものである」という彼の信念を体現したものでした。

生涯現役の作曲家として

1992年6月11日、いずみたくは70歳でその生涯を閉じました。死去する直前まで作曲活動を行っており、まさに“生涯現役”の作曲家でした。
彼が遺した作品は、3000曲以上とも言われ、その多くが今もさまざまな場面で使われ、歌い継がれています。


やなせたかし・アンパンマンとの関係

いずみたくさんとやなせたかしさん、そしてアンパンマンとの結びつきを、作品ベースでやさしく解説しますね。

やなせたかしと「手のひらを太陽に」

永六輔さんからやなせたかしさんを紹介されたいずみさん。

その後のエピソードとしてまず外せないのが、やなせたかし作詞 × いずみたく作曲の「手のひらを太陽に」です。

1961年に生まれ、翌1962年にNHK『みんなのうた』で放送されて一気に広まりました。

童謡らしいシンプルさと前向きな言葉運びが、いずみたくらしい口ずさみやすいメロディにぴったり重なっています。

歌い出しは低めで安心、サビでふっと視界が開く構図が気持ちいいんですよね。作品の“やさしい強さ”は、のちのアンパンマンの世界観にもつながる入口になりました。

⑤ ミュージカル化→「ばいきんまん」誕生の経緯(1976→1979)

ドラマ『あんぱん』に出てくる“ミュージカル化の提案”は、史実にも重なります。

いずみたくが「アンパンマンを舞台にしよう」と持ちかけ、1976年に最初のミュージカル版『怪傑アンパンマン』が六本木のアトリエ・フォンテーヌで上演されました。

原作・脚本はやなせたかし、音楽はいずみたく。主演はタレントの海野かつをさんです。

初期舞台の造形は現在の着ぐるみとは違い、演者の表情が見えるヘッドピース型の見せ方も採られました(舞台写真からうかがえます)。

観客と舞台が近い小劇場サイズならではの距離感で、歌と芝居の一体感が強かったと想像します。こうした“顔が見える”設計は、アンパンマンの温度を生身の役者の呼吸で届ける狙いにもフィットしますよね。

この上演を通じて、やなせさんは大切な発見に至ります。観客の反応を見ながら「アンパンマンの相手役としては、強い悪役の“芯”が足りない」と気づいたのです。

そこで「食品の敵はバイキン」という着想にたどり着き、明確なライバル像の必要性を言語化しました。

作品でも描かれる“やさしさ”の物語を際立たせるには、向かい合う存在が必要――この判断が、その後の世界観を一気に押し広げます。

アンパンマン関連曲・関わりの整理

いずみたくさんはアニメ『それいけ!アンパンマン』や関連ミュージカルにも深く関わりました。

代表的なのが、遺作として語られる「すすめ!アンパンマン号」。

作詞はやなせたかし、作曲はいずみたく。

病床で口述筆記しながら完成させたという逸話が語り継がれ、音源の仕上げは弟子の近藤浩章が担いました。曲の推進力と温度の高さに、二人の信頼関係がにじみます。

このほか「アンパンマン音頭’89」など、やなせさんの歌詞にいずみたくがメロディを与えた楽曲が複数存在します。

夏祭りや園の行事で耳にする機会も多いので、体が覚えている人も多いはず。

音頭でも“誰でも歌って踊れる”設計が貫かれ、地域の輪にすっと馴染むのがたくさん流儀らしいところです。

いずみたくのプロフィール(基本情報)

いずみたくさんのプロフィール(基本情報)を整理しますね。

① 基本データ一覧

項目内容
名前いずみ たく(表記ゆれ:いずみ・たく)
本名今泉 隆雄(いまいずみ たかお)
生年月日 / 没年月日1930年1月20日 / 1992年5月11日(62歳)
出身地東京市下谷区・谷中(現:東京都台東区)
肩書作曲家・政治家(元参議院議員/第二院クラブ)
作曲分野歌謡曲、童謡、ミュージカル、テレビ/ラジオ、アニメ、CM、校歌 など
生涯作曲数約15,000曲(事務所プロフィール等の記載)
代表曲(例)「見上げてごらん夜の星を」「手のひらを太陽に」「世界は二人のために」「恋の季節」「夜明けのうた」「いい湯だな」
やなせたかしとの主なタッグ「手のひらを太陽に」「勇気の花がひらくとき」「すすめ!アンパンマン号」ほか
関連組織オールスタッフ(著作権管理・制作)/ミュージカルカンパニー・イッツフォーリーズ(旧:いずみたくフォーリーズ)
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