街中や駅、観光地などでよく見かける自動販売機ですが、「最近自販機が減っている気がする」と感じている人もいるかもしれません。
実際に飲料メーカーのダイドーグループホールディングスは2026年、過去最大の赤字を発表し、採算の取れない自販機約2万台を撤去する方針を明らかにしました。
また、コカ・コーラや伊藤園など他の飲料メーカーでも自販機事業の収益悪化が指摘されています。
この記事では「自販機が減っている理由はなぜなのか?」という疑問について、日本の自販機台数の推移や飲料業界の変化とあわせて分かりやすく解説します。
自販機が減っている理由はなぜ?
自動販売機が減少している背景には、いくつかの要因があるとされています。
主な理由として挙げられるのは次のとおりです。
- 物価上昇で自販機の商品が割高に感じられる
- コンビニコーヒーなど競合サービスの登場
- 電気代や原材料費の高騰
- 人口減少による需要の減少
それぞれ詳しく見ていきます。
日本の自販機はどれくらい減っている?
日本は「世界一の自販機大国」とも呼ばれてきましたが、実は設置台数は長期的に減少傾向にあります。
一般社団法人日本自動販売システム機械工業会のデータによると、日本の自販機の普及台数は2000年頃に約560万台まで増加しました。
しかしその後は徐々に減少し、2020年には約404万台まで減少しています。
つまり約20年の間に、100万台以上の自販機が減ったことになります。
この背景には、人口減少や消費者行動の変化など、さまざまな要因があると考えられています。
理由① 物価高で自販機の商品が割高に感じられる
近年は物価上昇の影響で、飲料の価格も全体的に上昇しています。
スーパーやドラッグストアでは、同じ飲料が自販機より安く販売されていることも多く、消費者の節約志向が強まる中で「自販機は割高」という印象が広がっています。
そのため、以前よりも自販機を利用する人が減っている可能性が指摘されています。
理由② コンビニコーヒーとの競争
自販機の主力商品だった缶コーヒーは、コンビニのカウンターコーヒーの登場によって大きな影響を受けました。
2010年代以降、コンビニ各社はレジ横で淹れたてコーヒーを提供するサービスを強化しました。
比較的安い価格で淹れたてのコーヒーが飲めるため、これまで自販機で缶コーヒーを購入していた利用者の一部がコンビニに流れたとも言われています。
理由③ 電気代や原材料費の高騰
自動販売機の運営には電気代や商品の補充、人件費などさまざまなコストがかかります。
近年は電気料金や原材料費が上昇しており、自販機の運営コストも増加しています。
売上が伸びない場所では採算が取れなくなり、自販機の撤去が進む要因となっていると考えられます。
ダイドーは過去最大赤字で自販機2万台を撤去
飲料メーカーのダイドーグループホールディングスは2026年1月期の連結決算で、最終損益が303億円の赤字となりました。
これは過去最大の赤字で、自販機事業の収益悪化が大きな要因とされています。
同社は全国に約27万台の自販機を展開していますが、採算の取れない約2万台を撤去する方針を明らかにしました。
自販機ビジネスの厳しさが改めて注目されるきっかけとなっています。
コカ・コーラや伊藤園も自販機事業で苦戦
自販機事業の厳しさはダイドーだけではありません。
コカ・コーラボトラーズジャパンHDは、自販機事業などで大規模な減損損失を計上しました。
また伊藤園も、自販機事業の減損損失を計上しており、飲料業界全体で自販機ビジネスの環境が厳しくなっていると指摘されています。
自販機は今後なくなる?
自販機の設置台数は減少傾向にあるものの、すぐに無くなるわけではないと考えられています。
近年はキャッシュレス決済対応の自販機や、冷凍食品やラーメン、スイーツなどを販売する新しいタイプの自販機も登場しています。
そのため、従来の飲料中心の自販機は減少しても、新しい形の自販機が増える可能性もあります。
今後は時代の変化に合わせて、自販機ビジネスの形も変わっていくと考えられています。

