天皇陛下と旧宮家の36親等とはどれくらい?赤の他人と言われる理由を解説

天皇陛下と旧宮家の36親等とはどれくらい?赤の他人と言われる理由を解説

2026年7月、皇族数の確保を目的とする皇室典範改正案をめぐり、「36親等」という数字が大きな注目を集めています。

宮内庁は国会で、1947年に皇籍を離脱した旧宮家の皇族男子と現在の天皇陛下との間には、「36親等から38親等の隔たりがある」と説明しました。

SNSでは、

「36親等ってどれくらい遠いの?」

「それはもう赤の他人では?」

「なぜ愛子さまではなく、遠い親戚を皇族に迎えるの?」

といった疑問や驚きの声が相次いでいます。

36親等とは、一般的な親戚関係に置き換えるとどれほど遠いのでしょうか。

この記事では、天皇陛下と旧宮家の関係や、36親等が「赤の他人」といわれる理由、皇室典範改正案の内容について分かりやすく解説します。

目次

天皇陛下と旧宮家は36親等から38親等離れている

2026年7月10日に行われた衆議院議院運営委員会では、日本共産党の塩川鉄也衆院議員が、旧宮家と現在の天皇陛下との血縁関係について質問しました。

これに対して宮内庁の緒方禎己次長は、次のように答弁しています。

昭和22年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは36親等から38親等の隔たりがあるものと承知している

ここでいう旧宮家とは、戦後の1947年に皇籍を離脱した11の宮家を指します。

現在は旧宮家の子孫も民間人として生活していますが、男系で皇統につながっていることから、皇族数を確保するための案として「旧宮家の男系男子を養子に迎える制度」が検討されてきました。

しかし、天皇陛下から36親等から38親等も離れていることが明らかになり、その血縁関係の遠さに注目が集まったのです。

36親等とはどれくらい遠い?

親等とは、本人から親族までの世代数を数えたものです。

たとえば、一般的な親族関係では以下のようになります。

親等関係の例
1親等父母、子ども
2親等祖父母、孫、兄弟姉妹
3親等曾祖父母、ひ孫、おじ・おば、おい・めい
4親等いとこ、高祖父母
6親等はとこなど

親子のような直系の関係では、1世代離れるごとに1親等として数えます。

一方、いとこなどの傍系親族の場合は、共通する祖先までさかのぼった世代数と、そこから相手まで下る世代数を合計します。

いとこであれば、自分から祖父母までが2親等、祖父母からいとこまでが2親等なので、合計4親等です。

36親等の場合、仮に双方が共通の祖先から同じ世代数だけ離れていると考えると、それぞれ約18世代離れている計算になります。

1世代を約25年から30年として単純計算すると、共通する祖先はおよそ450年から540年前までさかのぼることになります。

実際に今回の報道では、天皇陛下と旧宮家の男系男子とのつながりについて、約600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋だと説明されています。

日常生活で「親戚」として交流するような距離ではなく、家系図を何世代もさかのぼって初めてつながりが確認できるほど遠い関係といえるでしょう。

36親等は法律上も「赤の他人」なの?

SNSでは、36親等という数字を受けて、

「それはもう赤の他人では?」

「親戚と呼ぶには遠すぎる」

という声が多く上がっています。

民法では、親族の範囲を以下のように定めています。

  • 6親等以内の血族
  • 配偶者
  • 3親等以内の姻族

つまり、一般的な法律上の「親族」に含まれる血族は6親等以内です。

36親等はこの範囲を大きく超えているため、民法上の親族には当たりません。

そのため、一般的な感覚や法律上の区分から見れば、「ほとんど他人」「赤の他人に近い」と感じる人が多いのも不思議ではありません。

ただし、36親等だから血縁関係がまったくないという意味ではありません。

非常に遠いものの、家系図上では共通する祖先を持つ血族関係にあるとされています。

したがって、正確には「血縁関係はあるが、民法上の親族の範囲には含まれないほど遠い関係」と説明するのが適切です。

なぜ遠い旧宮家の男系男子を皇族に迎えるの?

今回の皇室典範改正案では、皇族数を確保するための方法として、主に次の案が盛り込まれています。

1つ目は、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持できるようにする案です。

2つ目は、旧宮家の男系男子を現在の皇族の養子として迎え、皇族の身分を与える案です。

旧宮家の男系男子が候補となっている理由は、父方だけをたどって歴代天皇につながる「男系」の血統を受け継いでいると考えられているためです。

男系男子による皇位継承を重視する立場からは、現在の天皇陛下との親等の近さよりも、男系の血筋が途切れずにつながっていることの方が重要だとされています。

つまり、今回の議論では、

「現在の天皇陛下との血縁の近さを重視するのか」

「父方をたどる男系の連続性を重視するのか」

という異なる考え方がぶつかっているのです。

旧宮家の男性本人に皇位継承権はある?

旧宮家の男系男子が養子として皇族になった場合でも、養子本人には皇位継承資格を与えない仕組みとされています。

一方、皇族となった男性が結婚し、その後に男の子が生まれた場合、その子どもには皇位継承資格が生じる可能性があります。

この点についても、

「一般人として育った男性の子どもに皇位継承権が発生するのか」

「国民への説明が足りないのではないか」

という疑問が出ています。

旧宮家の男系男子を皇族に迎える案は、単に公務を担う皇族を増やすだけでなく、将来の皇位継承にも影響する可能性があるため、慎重な議論を求める声が上がっているのです。

愛子さまの方が天皇陛下に近いとの声も

旧宮家の男系男子が天皇陛下から36親等以上離れている一方、愛子さまは天皇陛下の実の娘であり、1親等の直系血族です。

そのため、SNSやヤフーコメントでは、

「遠い親戚を迎えるより愛子さまの方が自然ではないか」

「天皇陛下の直系である愛子さまに皇位継承権がないのは疑問」

「男系にこだわる理由を国民に説明するべき」

といった意見が多く寄せられています。

愛子さまは父方をたどれば歴代天皇につながるため「男系の女性皇族」ですが、現行の皇室典範では、皇位継承資格を持つのは「皇統に属する男系の男子」に限られています。

このため、愛子さまには現在の制度上、皇位継承権がありません。

愛子さまが天皇になる「女性天皇」を認めるには、皇室典範の皇位継承に関する規定そのものを改正する必要があります。

なお、「女性天皇」と「女系天皇」は同じ意味ではありません。

女性天皇は女性本人が天皇になることを指し、女系天皇は母方を通じて皇統につながる天皇を指します。

愛子さまが即位された場合は、父親が天皇陛下であるため「男系の女性天皇」となります。

「36親等だけで判断できない」との意見もある

ヤフーコメントでは旧宮家案への批判が多く見られる一方、「36親等という数字だけで制度の是非を判断するべきではない」という意見もあります。

主な意見をまとめると、次のとおりです。

  • 36親等は一般的な親戚関係としてはあまりにも遠い
  • 旧宮家を迎えるより直系の愛子さまの方が自然に感じる
  • 皇室制度の変更には十分な審議と国民への説明が必要
  • 民法上の親等と皇位継承における男系の考え方は別の問題
  • 親等の近さと男系の連続性のどちらを重視するのか議論すべき
  • 旧宮家の現在の生活や皇室との交流状況も一律ではない

確かに、民法上の親族関係と、皇室制度で重視されてきた男系の血統は同じ基準ではありません。

「36親等だから他人」と数字の印象だけで結論づけるのではなく、なぜ男系を維持する必要があるのか、国民にどのような意義があるのかを丁寧に説明することが求められそうです。

天皇陛下も「国民の理解」に言及

天皇陛下は2026年6月、オランダとベルギーへの公式訪問を前にした記者会見で、皇族数確保の議論について言及されました。

制度に関する具体的な意見を述べることは控えた上で、

こうした皇族数の確保の在り方についての議論においても、国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります

と述べられています。

皇室制度は、国民の理解や支持と切り離して考えることが難しい問題です。

旧宮家の男系男子を皇族に迎える理由や、なぜ女性天皇についての議論を先送りするのかなど、政府や国会には分かりやすい説明が求められています。

まとめ

今回は、天皇陛下と旧宮家の間にある「36親等から38親等」という隔たりについて解説しました。

要点をまとめると、以下のとおりです。

  • 旧宮家の皇族男子と天皇陛下は36親等から38親等離れている
  • 共通する祖先をたどるには室町時代ごろまでさかのぼるとされる
  • 民法上の親族は原則として6親等以内の血族
  • 36親等は民法上の親族には含まれない
  • 血縁がないわけではないが、一般的には非常に遠い関係
  • 旧宮家案では血縁の近さではなく男系の連続性が重視されている
  • 愛子さまは天皇陛下の直系だが、現行制度では皇位継承権を持たない

36親等という数字に驚きが広がっていますが、今回の問題は単に「親戚か他人か」だけで判断できるものではありません。

男系男子による継承を維持するのか、女性天皇を認めるのか、皇室の将来をどのような形にするのかという、日本の根幹に関わる議論です。

だからこそ、数字のインパクトだけで結論を急ぐのではなく、国民が納得できるよう十分な審議と丁寧な説明を重ねる必要があるのではないでしょうか。

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