高級旅館として高い人気を誇る「界 阿蘇」が閉館すると聞き、 「経営不振なのでは?」「もう泊まれないの?」と不安に感じた方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、界 阿蘇は現時点ではまだ閉館していません。 ただし、2026年10月をもって閉館予定であることが明らかになっています。
そして閉館理由は、経営不振ではなく 「物件の売却とオーナー変更」です。
界 阿蘇が閉館する理由は「物件オーナーの変更」

界 阿蘇は星野リゾートが運営し、 不動産自体は星野リゾート・リート投資法人が保有していました。
この物件が、2025年5月1日付で 株式会社NBI地方創生インベストメントへ売却されることが公式に発表されています。 譲渡価格は約7億7,400万円です。
この売却に伴い、 「界」ブランドとしての運営が終了し、閉館する という流れになりました。
経営不振や人気低迷が理由ではない
注目すべき点は、界 阿蘇の収益状況が非常に良好だったことです。
公開されているデータによると、2024年(1月〜10月)は
- 平均客室単価(ADR):約78,900円
- 平均稼働率:約96%
- RevPAR:約75,600円
と、国内の高級旅館の中でもトップクラスの水準を維持していました。
2016年の熊本地震や2020年のコロナ禍を除けば、 長期的に安定した収益を確保していた施設であり、 「儲からなかったから閉館する」わけではありません。
界 阿蘇はどんな宿だった?
界 阿蘇は、阿蘇くじゅう国立公園の麓・瀬ノ本高原に位置する高級旅館です。
- 約2万7,000㎡の広大な敷地
- 全12棟の一戸建てヴィラタイプ
- 全室に専用露天風呂付き
- 阿蘇五岳を望む圧倒的な景観
- 宿泊料金は1人あたり5万5,000円〜
非日常感と高いプライベート性から、 国内の富裕層だけでなく訪日外国人からの人気も高い宿でした。

ちなみに筆者は数年前に「界 伊東」に宿泊したことがありますが、とても優雅で素晴らしい時間が過ごせた記憶があります。
閉館後はどうなる?再開の可能性は?
売却先であるNBI側は、取得後に 一定期間を経て改装工事を実施し、さらに地域の魅力を感じられる宿泊施設へ展開する と発表しています。
そのため、建物が取り壊される可能性は低く、 閉館後も形を変えて再スタートする可能性が高いと考えられます。
界 川治と同じ流れになる可能性も
過去には、界 川治が売却後に「界」としての営業を終了し、 改装を経て別ブランドとして再オープンした事例もあります。
界 阿蘇の今後を考えるうえで、参考になるのが
界 川治の事例です。
界 川治も、界 阿蘇と同じく
星野リゾート・リート投資法人が保有していた物件でした。
界 川治の閉館から再開までの流れ

界 川治は次のような経緯をたどっています。
- 星野リゾート・リート投資法人が物件を売却
- 「界」ブランドとしての営業を終了
- 一定期間の改装工事を実施
- 別ブランドとして再スタート
売却先は
大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツで、
改装後は TAOYA 川治 として
2025年2月にリニューアルオープンしました。
この流れを踏まえると、界 阿蘇も 将来的に新たなブランドで再開する可能性は十分にあるでしょう。
まとめ|界 阿蘇の閉館理由
- 界 阿蘇は2026年10月に閉館予定
- 現在はまだ営業中
- 閉館理由は物件売却とオーナー変更
- 経営不振や人気低迷が原因ではない
- 閉館後は改装を経て再活用される可能性が高い
界 阿蘇は、人気があるまま節目を迎える宿と言えるでしょう。

