韓国「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の総裁・韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏に逮捕状が発付され、2025年9月に逮捕されたというニュースが大きな話題になっています。
「なぜ逮捕されたのか?」「どんな法律に違反したのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、疑惑の内容や法律的な背景をわかりやすくまとめました。
目次
疑惑の大枠:何が問題になっているのか

主な論点は次の2点です。
- キム・ヨンラン法(不正請託及び金品等収受の禁止に関する法律)違反に該当し得る、前大統領夫人・金建希氏への金品提供疑惑
- 政治資金法違反に当たり得る、国会議員への違法資金提供疑惑
裁判所はこれらの疑いに加え、証拠隠滅の恐れを理由に逮捕状を発付しました。
具体的な行為の疑い
前大統領夫人への贈り物疑惑
報道によれば、韓鶴子氏や関係者がブランドバッグやネックレスを前大統領夫人に渡したとされ、これが「便宜供与を期待した贈与」にあたる可能性が指摘されています。
国会議員への資金提供
一部報道では、与党議員の権性東(クォン・ソンドン)氏に対して違法な資金提供が行われたのではないかとの疑惑も浮上しています。
証拠隠滅の恐れ
裁判所が逮捕状を認めた大きな理由の一つが「証拠隠滅のおそれ」です。資料や証言が隠される危険性が高いと判断され、逮捕に踏み切ったとされています。
教団・韓鶴子側の主張と反論
一方で、韓鶴子氏や教団側は一貫して不正関与を否定しています。
- 「個人として違法行為に関与していない」
- 「教団全体の指示ではなく、一部幹部の逸脱行為にすぎない」
- 「健康上の理由で一部の呼び出しに応じられなかった」
など、疑惑には反論を展開しています。
なぜこの事件が注目されているのか
今回の逮捕劇は、単なる政治資金問題にとどまりません。背景には以下の要素があります。
- 宗教と政治の関係性:韓国社会で長年議論されてきたテーマ
- 透明性と法の適用:大物宗教指導者であっても法の前では平等であるというメッセージ
- 旧統一教会をめぐる国際的な関心:日本でも多くの議論を呼んできた団体だけに注目度は高い
今後の見通し
逮捕状発付と勾留決定は捜査段階であり、「逮捕=有罪」ではありません。
今後の裁判を通じて、
- 実際に金品提供や資金流用があったのか
- 韓鶴子氏がどの程度関与していたのか
- 教団全体の責任が問われるのか
といった点が明らかになっていくでしょう。判決が出るまでに時間はかかるとみられますが、今後の展開は韓国社会だけでなく国際的にも注目されています。
まとめ
- 韓鶴子氏は 政治資金法違反・請託禁止法違反・贈収賄の疑い で逮捕された
- 逮捕理由には 証拠隠滅の恐れ が挙げられている
- 韓鶴子氏・教団側は 一貫して関与を否定
- 宗教と政治の関わりが改めて問われる事件となっている
本件はまだ「疑い」の段階であり、最終的な判断は法廷で下されます。今後の裁判の行方に注目していきましょう。