自民党の当選議員に対する「当選祝い」に注目が集まっています。
きっかけは、高市早苗首相が衆院選後に自民党議員へカタログギフトを配布していたことが明らかになったことでした。
こうした行為は、自民党の風習なのでしょうか。
また、他の政党でも行われているのでしょうか。
この記事では、自民党の当選祝いの風習の有無や、過去の事例、他党の状況について解説します。
自民党に当選祝いの公式な風習はあるのか?
結論から言うと、自民党として、当選議員に祝い品を渡す公式な制度や風習は確認されていません。
政党の資金は政治資金規正法などのルールに基づいて管理されており、当選祝いとして金品を配る制度は設けられていないためです。
つまり、「自民党のルールとして必ず贈る」という仕組みはありません。
個人の政治団体として贈り物が行われるケースはある
一方で、政治の世界では、個人の政治団体や議員の判断で、選挙後に贈り物が行われるケースが報じられたことがあります。
これは制度ではなく、
- 選挙の労い
- 今後の活動への激励
- 人間関係の構築
などの意味合いがあるとされています。
ただし、すべての議員が行っているわけではなく、「風習」と断定できるものではありません。
石破茂元首相の10万円商品券配布問題
政治家による贈り物で大きな議論となったのが、石破茂元首相による商品券配布問題です。
報道によると、石破氏は衆院選で初当選した自民党議員との懇談会の際、1人あたり10万円分の商品券を配布していたとされています。
商品券は現金と同じように使用できる有価証券であるため、実質的な金銭提供ではないかと指摘されました。
石破氏は2025年4月の記者会見で、「自分を見失っていたところがあるかもしれない」と述べ、謝罪しました。
また、「議員本人や家族を労いたい気持ちだったが、国民感覚とずれていた」と説明しています。
安倍晋三元首相の時代にも商品券配布の証言
さらに、過去の自民党政権でも、商品券が配布されたとする証言が報じられています。
中日新聞のアンケート調査によると、2012年の衆院選で初当選した自民党議員が、当選から数カ月後に安倍晋三首相(当時)と1期生議員との会合に出席した際、会食後に商品券が配られたと証言しました。
この議員は、
- 約10万円分の商品券だったと記憶している
- スーツなどの購入に使用した
- 当時は「敢闘賞や努力賞のようなもの」と受け止めていた
と説明しています。
ただし、この証言はアンケート調査に基づくものであり、自民党として制度化されたものかどうかは明らかになっていません。
一方で、石破茂元首相のケースも含め、複数の政権で同様の贈り物が報じられていることから、政治の世界における慣習の一端ではないかという見方も出ています。
ただし、政治資金の透明性の観点からは、こうした行為について説明責任が求められるケースもあります。
岸田文雄元首相も10万円分の商品券配布が報じられている
さらに、岸田文雄元首相についても、在任中に商品券を配布していたと報じられています。
毎日新聞によると、岸田氏は2022年、首相公邸で政務官との会食を行った際、岸田氏の事務所が出席者に対し、10万円分の商品券を配布していたとされています。
この件について、岸田氏の事務所は違法性を否定していると報じられています。
ただし、これらが制度として定められていたものかどうかは明らかになっておらず、個別の政治団体の判断で行われた可能性もあるとされています。
こうした事例が相次いで報じられたことで、「政治とカネ」の問題として改めて関心が集まっています。
他の政党にも当選祝いの風習はあるのか?
立憲民主党、日本維新の会、公明党などを含め、政党として当選祝いを制度化しているという事実は確認されていません。
政治資金の使い道には制限があるためです。
ただし、政党を問わず、個人の政治団体の判断で贈り物が行われたケースはあります。
しかし、政党全体の風習として行われているとは確認されていません。
なぜ問題として注目されるのか?
政治家による金品の提供は、「政治とカネ」の問題として社会的関心が高いテーマです。
特に、
- 商品券
- 金券
- 贈り物
などは、政治資金の透明性の観点から注目されやすいとされています。
そのため、制度ではなく個人の判断であっても、社会的議論になることがあります。
まとめ|自民党に当選祝いの風習はあると断定はできないが、慣例との見方も出ている
自民党の当選議員への商品券や贈り物については、党の公式制度として定められた「風習」があると確認されているわけではありません。
一方で、安倍晋三元首相、岸田文雄前首相、石破茂元首相など、複数の歴代首相のもとで、議員に商品券などが配布されたとする事例が報じられているのも事実です。
こうした背景から、ネット上などでは「慣例的に行われてきたのではないか」との見方も出ています。
ただし、これらは個人の政治団体や事務所の判断で行われたと説明されているケースが多く、党として制度化されたものとは区別されています。
政治家による贈り物は、違法性の有無だけでなく、政治資金の透明性や国民感覚とのずれといった観点からも注目されやすいテーマです。
今回の問題をきっかけに、政治とカネのあり方や、こうした慣行の透明性について、今後も議論が続いていく可能性があります。

