2026年6月、リニア中央新幹線の静岡工区について、静岡県の鈴木康友知事が7月にも着工を容認する方向で調整に入ったと報じられました。
リニアをめぐっては、当初2027年開業を目指していたものの、静岡県が工事に慎重な姿勢を示したことで計画は大幅に遅れています。
「なぜ静岡県だけが反対していたの?」「川勝前知事はなぜここまで厳しい姿勢だったの?」
そう疑問に感じている人も多いのではないでしょうか。
今回は、リニア中央新幹線が静岡県に反対されていた理由や着工容認の背景、今後の課題についてわかりやすく解説します。
リニアはなぜ静岡県に反対されていた?

最大の理由は、大井川の水資源への影響が懸念されていたためです。
リニア中央新幹線は、南アルプスの地下を長距離トンネルで通過する計画です。静岡工区では約8.9キロにわたりトンネルを掘削する予定ですが、その際に地下水が流出し、大井川の水量が減少する可能性が指摘されていました。
大井川の水は、流域住民の生活用水や農業用水、工業用水として利用されている重要な水資源です。
JR東海も、何も対策を講じなければ毎秒2トン程度の水が失われる可能性があると試算していました。
そのため静岡県は、
- 水量は本当に維持できるのか
- 地下水や生態系への影響はないのか
- 問題が起きた場合に工事を停止できるのか
といった点について、科学的な根拠と具体的な対策をJR東海に求めてきました。
川勝前知事が反対した理由は?
ネット上では、「リニア開業を遅らせた張本人」として川勝平太前知事を批判する声もあります。
しかし、川勝氏は一貫して「県民の財産である水資源と自然環境を守ることが県の責務」と主張してきました。
2017年には、JR東海が大井川への影響について十分な説明をしていないとして態度を硬化。国土交通省の有識者会議などでも長期間にわたり議論が行われることになりました。
ヤフーコメントでも、
「川勝氏が問題提起しなければ、ここまで科学的な検証は進まなかった」
という意見がある一方、
「国家的プロジェクトを遅らせた責任は重い」
といった声もあり、現在も評価は分かれています。
水問題だけではない?「静岡飛ばし」への不満も背景に
リニア問題は、水資源だけが原因ではないという見方もあります。
静岡県とJR東海の間には、長年にわたる「静岡飛ばし」への不満があったと指摘されています。
例えば、
①東海道新幹線「のぞみ」が静岡県内に停車しない
東海道新幹線では、「のぞみ」が静岡駅や浜松駅に停車しません。
静岡県からは以前から「1本くらい停車してもいいのではないか」という声が上がっていました。
②富士山静岡空港付近への新駅構想が実現しなかった
静岡県は、東海道新幹線と富士山静岡空港を結ぶ新駅構想を描いていました。
しかし、JR東海は「駅間距離が近すぎる」「高速性が損なわれる」などの理由から認めませんでした。
③リニアも静岡県には駅ができない
リニア中央新幹線は静岡県内を通過するものの、県内に駅は設置されません。
静岡県側からすると、
「水資源へのリスクは負うのに、地域への恩恵はほとんどない」
という受け止めになりやすい構図だったのです。
そのためリニア問題は、環境問題だけではなく、JR東海と静岡県の信頼関係のこじれも背景にあったといわれています。
なぜ今になって着工容認へ動いたのか
静岡県とJR東海は、これまで28項目にわたる対話を続けてきました。
2025年には、大井川の流量減少を回避するためのJR東海の対策案について、県側が了承。長年の対立の主因だった「水問題」は一定の節目を迎えました。
また、
- 大井川流域自治体での住民説明会の終了
- 法的手続きの進展
- JR東海からの資料提供や協議の進展
などもあり、鈴木知事は着工容認へ向けた政治判断を下したとみられています。
ただし、今回の判断は無条件の賛成ではありません。
今後も、
- 水量や地下水の継続的な監視
- 生物多様性への影響調査
- 建設残土の処分方法
- 問題発生時の工事停止ルール
- データ公開と住民への説明
などが重要な課題になります。
リニア開業はいつになる?
リニア中央新幹線は当初、2027年の品川~名古屋間開業を目指していました。
しかし、静岡工区の着工が遅れたことで計画は大幅に後ろ倒しとなり、現在は2034年以降、あるいは2035年以降になるとの見方が強まっています。
さらに、
- 南アルプスの難工事
- 地盤沈下への懸念
- 建設費の高騰
- 他工区の工事の遅れ
などもあり、具体的な開業時期は依然として不透明な状況です。
ネットの声
ネット上では、
「ようやく前進した」
「国家的プロジェクトとして進めてほしい」
「水問題は最後まで監視すべき」
「地震や地盤沈下のリスクが心配」
「完成する頃まで生きているかな」
など、期待と不安の両方の声が上がっています。
まとめ
リニア中央新幹線が静岡県に反対されていた最大の理由は、大井川の水資源や自然環境への影響が懸念されていたためです。
一方で、東海道新幹線の「のぞみ」が停車しないことや、リニアの駅が設置されないことなど、長年の「静岡飛ばし」への不満やJR東海との信頼関係の問題も背景にあったとされています。
長期間にわたる対話を経て、静岡県は着工容認へ動く見通しとなりました。
ただ、問題が完全に解決したわけではありません。
リニア問題はこれから、「反対か賛成か」ではなく、「地域の安心と国家的プロジェクトをどう両立させるか」という新たな段階に入っていくことになりそうです。

