お笑いコンビ「クロスバー直撃」の渡邊センスさんが、フライデーを相手取って起こした名誉毀損裁判で一部勝訴しました。
ところがネットでは、「何したの?」「どんな裁判?」と情報が錯綜しています。
実は、今回の件は渡邊さんが何かを“した”裁判ではなく、フライデーの記事に事実とは異なる内容が書かれたために起こした裁判です。
この記事では、どんな記事が問題になったのか、裁判で何が争われたのか、分かりやすく整理してお伝えします。
渡邊センスとは
完っっ全に勝ったりました‼️
— クロスバー直撃 渡邊 センス (@nabe2000) November 25, 2025
沢山の応援ありがとうございました🙏
ここからです✌️ pic.twitter.com/TajvndBX4m
お笑いコンビ「クロスバー直撃」の渡邊センスさん(41)。独特のキャラクターと勢いのある芸風で人気の芸人ですが、ニュースを見て
「え、渡邊センスって何したの?」
「どんな不祥事で裁判になってるの?」
と疑問に思った人も多いはずです。
今回話題になっているのは、写真週刊誌「FRIDAY(フライデー)」を発行する講談社を相手取った名誉毀損裁判の判決です。
渡邊センスは“何をした”とフライデーに書かれていたのか?

松本人志さんとの「飲み会」をめぐる記事
問題となったのは、松本人志さんの性加害疑惑報道の流れの中でフライデーが掲載した、松本さんの宿泊先ホテルでの「飲み会」の記事です。
フライデーの記事や、その内容を紹介する報道・解説によると、おおまかには次のような“構図”が描かれていました。
- 舞台は、大阪の高級ホテル(リッツ・カールトン大阪)のスイートルームで行われた飲み会
- 参加メンバーの一人として、渡邊センスさんの名前が登場
- 渡邊さんが女性を誘い、松本人志さんらがいる酒席に“アテンド”したかのように描写
- 女性側の証言として、「VIPが来るから女の子を用意できる?」「もしそうなったら“できる子”を呼んでほしい」
といったニュアンスのやり取りがあったかのように書かれたとされています。
さらに、講談社側の主張では、
「原告が女性に『もし性行為を行うことになっても大丈夫か』と事前確認していた、という内容にすぎない」
という形で、「性的な行為に発展することも見越して女性を招いた」という印象を与える記事だったと説明しています。
渡邊センス側の受け止め
これに対して渡邊さん側は、
- 「女性を選別して酒席に参加させた」
- 「性行為ありきで女性を“用意”した」
といったように受け取られる書き方は完全な事実無根だと主張しました。
法廷でも、
「記事の内容は事実ではなく、すべてデタラメだ」
と証言し、仕事を複数失ったことなど具体的な被害も訴えています。
なぜフライデーを訴えたのか
渡邊さんが講談社を訴えた理由はシンプルです。
事実と異なる形で“女性のアテンド役”のように描かれたその結果、テレビのオンエアが飛ぶ収録予定の仕事がなくなるなど芸人人生に大きなダメージを受けたと主張。
そこで、名誉毀損による損害賠償(計1100万円)訂正記事の掲載を求めて提訴しました。
ポイントは、
「渡邊センスが“何か悪いことをした”から訴えられたのではなく、“悪いことをしたかのように記事に書かれた”ので、逆に渡邊さんが訴えた側という構図です。
裁判所は記事をどう見たのか?|判決のポイント
2025年11月25日、東京地裁は講談社に対し、
損害賠償220万円の支払い
を命じました。
判決の中で裁判所は、フライデー記事についておおむね次のように評価しています。
記事は女性の証言だけをもとに構成されていた。
編集部は、客観的な裏付けとなる証拠を持っていなかったのに渡邊さん本人や所属事務所に取材確認をしていなかった。
それにもかかわらず、渡邊さんが“女性をアテンドし、性的な行為を前提に女性を誘った”かのような印象を与える記事を掲載した。
これは渡邊さんの社会的評価を不当に下げるものであり、名誉毀損にあたる。
その結果、
渡邊さんの訴えの一部が認められ、220万円という賠償額になった、という流れです。
(金額としては請求額の約5分の1ですが、個人の名誉毀損訴訟としては比較的高めとされます)
松本人志さんの裁判とは別物

ネット上では、
「松本さんの裁判の一部なの?」
「“もう一つの松本人志裁判”って何?」
と混同されがちですが、整理するとこうなります。
- 松本人志さん
→ 週刊文春の記事などに対する名誉毀損訴訟 - 渡邊センスさん
→ フライデーの記事に対する名誉毀損訴訟
テーマはどちらも“報道をめぐる名誉毀損”ですが、別々の裁判です。
ネットの反応
今回の判決を受けて、SNS ではこんな声が見られました。
- 「渡邊センス何した?って思ったら、むしろ被害者側だった」
- 「“女の子を用意した芸人”ってイメージついたらそりゃ仕事減るよね…」
- 「記事が真実かどうかの前に、裏取りしてないのはアウトでしょ」
- 「書いたもん勝ちじゃないって、ちゃんと裁判で示したのは大きい」
“芸人”というイメージ商売の世界だからこそ、報道の影響は大きく、週刊誌の在り方が改めて議論されています。
勝訴してよかった。嬉しい!
— ネコタモさん (@telebisan) November 25, 2025
渡邊センスさんお疲れ様でした。
まとめ|“渡邊センスは何した?”の答え
最後に、検索キーワードの答えをハッキリさせておきます。
- 渡邊センスさんが“悪いことをした”という裁判ではない
- フライデーの記事が、渡邊さんを「女性を選別して松本人志さんの飲み会に“上納”したアテンド役」のように描いたことが問題になった
- 渡邊さんは「そんな事実は一切ない」と否定し、名誉毀損で提訴
- 東京地裁は、
- 記事内容の裏付けがないまま掲載したこと
- 渡邊さんの社会的評価を下げたこと
を理由に名誉毀損を認定し、講談社に220万円の賠償を命じた
つまり、
「渡邊センスは何したの?」という疑問に対しての答えは、
“フライデーに事実と異なる形で書かれた側であり、その記事を巡って裁判を起こした”
ということになります。
今後、講談社が控訴するのかどうか、そして報道現場がどう変わっていくのか――。
この裁判は、芸人一人の問題にとどまらず、「書く側」と「書かれる側」の関係を問い直す象徴的なケースになりそうです。

